オトのおっちゃん、再び
ヴィノードくんとお別れした後、駅からマーケットに向かって歩いていたら、昨日のオトのおっちゃんとまた会いました。そして、また乗っけてくれました。「マーケットに行くので、その近くまで乗せてって」ってお願いしたら、わざわざ遠回[とおまわ]りしてくれました。さすがにお金を請求されるだろう、と思って、着いてから少しお金を払おうとしたら「いらない」って断られました。なんて親切な人なんでしょう。
マーケットで用事を済ませ、学校に戻る途中、停留所をのぞいてみるとさっきのおっちゃんがいたので、お礼に写真を撮って差し上げました。
写真ではわかりにくいですが、彼はいつも穏やかな笑顔をしています。オトにも彼の人柄[ひとがら]が現れています。きれいに手入[てい]れされていて、エンジンはスムーズに回り、乗り心地[ごこち]のよいオトです。
後日[ごじつ]、現像[げんぞう]して写真を渡しました。
暑(熱)いね
昨日でインド学生のほとんどが出て行ってしまいました。誰が残っているか男子寮に見に行きました。すると、ヴィノードくんがいて、荷造[にづく]りをしていました。彼は今日出て行きます。荷物がいっぱいあって大変そうなので、お手伝いすることにしました。
彼はわたしと同じ英語クラスの学生でした。南インド出身で、母語はヒンディーではありません。非常に人[ひと]なつっこい性格です。
わたしが今回参加している「9ヶ月コース」以外にもこの大学にはいくつかのコースがあります。ヴィノードくんは「6週間コース」に以前参加しています(わたしも一年前に参加しました。彼は2年前の受講生[じゅこうせい])。彼が受講したときの同級生にヨーロッパ(の隅[すみ]っこの方[ほう])出身の女子学生がいました。そして、彼女も今回「9ヶ月コース」に参加しています。
ヴィノードくんと初めて会話したとき、彼はわたしにメモを手渡[てわた]しました。というか、わたしにメモを手渡すために声をかけてきました。「(ヨーロッパからの女子学生に)これを渡してくれ」って。面倒くさいなぁ。どうやら彼女と仲良くしたかったようです。その後、二人が一緒にいるのをよく見かけました。
荷物がまとまり、リキシャで駅まで向かう準備ができましたが、ヴィノードくんがなぜかいつも以上に「そわそわ」しています。訳[わけ]を聞いてみると、「彼女と一緒に行く約束をしていたのに、来ない」そうです。「学生生活の最後の教訓[きょうくん]だね。女の子は何を考えているか理解できないときがある」と言って一緒に大笑いしました。
男子寮[だんしりょう]の前にいるヴィノードくん 例の女子学生とお話中[はなしちゅう]?
彼女のことは諦[あきら]めて、駅に向かいました。駅に着いて、リキシャの料金を精算[せいさん]するとき、ちょっと「いたずら」したい気分になり、わたしが払うふりをしました。そしたら、ヴィノードくんが「いやいや、絶対に払って貰[もら]うわけにはいかない」とお金を突[つ]き返しました。「レジ前[まえ]のおばちゃん」ごっこ(笑)。昨日はネギさんと駅で「レジ前のおばちゃん」ごっこをしました。
インドの人たちもきっちりしているところはきっちりしています。当[あ]たり前[まえ]だけど、インドの人たちにはインドの人たちの常識があります。ただ、問題は何が常識かがインド社会の外[そと]の人間にはよくわからないことです(笑)。
ホームに来てみると、電車が到着[とうちゃく]するまでしばらく時間があることがわかったので、駅の売店[ばいてん]で餞別[せんべつ]にビスケットと冷たいフルーツミルクを買って、ヴィノードくんに渡しました*1。フルーツミルクは瓶入[びんい]りの飲み物です。いまのような暑い季節に飲むとおいしいです。栓を開けるのに栓抜[せんぬ]きが必要ですが、でもここはインド! 先日、インドの人たちはみんな自分の栓抜きを持っていることを学習したばかりです。だから、ヴィノードくんに栓をしたままの状態で渡しました。そしたら、「あれ、栓が開[あ]いてない。オレはそんなに歯が強くないから開けられないんだよ。」だって。インドは多様性[たようせい]の国です。
電車は発車予定時刻になっても現れませんでした。毎度のことですけど。ヴィノードくんは駅についてからも落ち着かない様子です。ずっとうろうろしています。しばらくすると、突然[とつぜん]彼の表情が「満面[まんめん]の笑[え]み」に変わりました。笑顔の先を見ると、件[くだん]の女子学生。はいはい、ごちそうさまです(苦笑)。
あんまり興味ないけど、電車が来るまで時間があったので、女子学生に話を聞いてみました。女子学生はプネーに遊びに行くそうで、プネーまでヴィノードくんと同じ電車に乗るそうです。
電車が来たので一緒に荷物を中まで運んでお別れ。バイバーイ。
オトのおっちゃん
ネギさん達とお別れしてから学校までの道のりをてくてく歩いていたら、顔見知[かおみし]りのリキシャ(地元の人たちは「オト(Auto)」と呼びます)のドライバーとすれ違いました。お客さんを乗せて駅に向かっていました。しばらくすると戻ってきて、わたしの横で止まり、ドライバーが「乗りなさい」というジェスチャー(身振[みぶ]り)をしました。
学校の側[そば]にリキシャの停留所[ていりゅうじょ]があり、彼はいつもそこで待機[たいき]しています。ここでは「ぼったくり」がほとんどないので、割と安心して乗れます。彼はその停留所へ戻る途中[とちゅう]のようで、ついでに乗せて行ってもらいました。少しはお金を払わないと悪いな、と思ってお金を出そうとしたら「いらない」って断られました。親切な人だ。長期間滞在していると、たまにこういう良いことがあります。
プライベート・スカラシップ
今日はネギさんとアンカンくんが学校を出て行きます。駅まで行ってお見送[みおく]りすることにしました。
発車までしばらく時間があったので、わたしも電車に乗りました。アンカンくんもネギさんも9ヶ月間頑張ったので、最後にわたしからプレゼント。ネギさんとは講義のクラスが違ったので、授業中どうしていたのか知らないけど、プラクティスの時は黙々[もくもく]とアーサナの練習をしていました。何十分もシルシアーサナ(逆立ちのポーズ)をしていたのが印象に残っています。ネギさんの故郷はシムラというところで、冬になるとかなり寒くなるそうです。だから、わたしが使っていた日本のマフラーを首にかけてあげました。ちなみに、いまはインドではいちばん暑い季節です。ネギさんはすぐにマフラーをとりました。
アンカンくんには帽子[ぼうし]をあげました。ユニクロで買った「ハンチング」。けっこうお気に入りの帽子でしたが、わたしからのスカラーシップです。遠慮なくとっておきなさい。アンカンくんの頭に被[かぶ]せてみると、帽子が大きすぎました。というか、アンカンくんの顔が小さすぎますね。でも、なかなか似合っています。
記念撮影してお別れ。また会いましょう。
ネギさん、どこ見てるの?
真[ま]ん中[なか]の方はアンカンくんの先生。遠いベンガルから来られたそうです。
インドでいちばん長い一日
ネギさんとお出かけ
みんなが出て行った後、ネギさんと立ち話[ばなし]。「暑いからビールでも飲みたいね」って冗談[じょうだん]で言ったら、ネギさんに「5時に待ち合わせして、一緒に外に出かけよう」と誘[さそ]われました。学校の規則[きそく]で飲酒[いんしゅ]や喫煙[きつえん]は禁止されていましたが、学校が終わったのでまぁいいか。罪悪感[ざいあくかん]なく飲めます。ただ、そうは言ってもインドでは酒飲[さけの]みは肩身[かたみ]が狭[せま]いですが。
2人で行くはずが、いつの間[ま]にか5人になってました。ネギさんはマーケットで瓶[びん]ビールを箱[はこ]ごと(20本くらい)買ってました。彼のお気に入りは「King Fisher[キングフィッシャー]」という会社のビール。インドでは航空会社も経営している大きな会社です。ビール会社が飛行機を飛ばしているって、ちょっと変な感じがしますね。まっすぐ飛ぶんでしょうか。
街の外[はず]れにある公園までリキシャで行き、その公園のまた隅[すみ]っこの人目[ひとめ]につきにくいところに座りました。地面に座るため、他のインド学生が「これを使うといい」と落ちていた新聞紙を持ってきてくれました。気が利[き]きます。ただ、拾[ひろ]ってきた新聞紙と地面とどっちがきれいか微妙[びみょう]でしたが(笑)。
インディアン・オープナー(インドの栓抜[せんぬ]き)
さぁビールを飲むぞ!と思ったら栓抜きがありません。隣[となり]にいたオームくんに「栓抜きある?」って聞こうと思って彼の方を向いたら、なんとオームくんはビール瓶にかじりついてました。そしてガリガリかじって見事[みごと]にビール瓶の栓を歯で開けてしまいました。「すげぇ!オームが歯で栓を開けたよ」って言って反対側[はんたいがわ]に座ってたラジェンドラくんの方を見たら、彼もビール瓶にかじりついてました(笑)。みんな当たり前のように歯で開けていてビックリです。
しかし、やっぱビールはうまいっすね!ネギさんがビールを飲んでから「ぷはぁー」って言ってるのを見て「インド人もビール飲んだら日本人と同じリアクションするんだ」ってわかって嬉しくなりました。
ネギさんが買ってきてくれたチキン料理とビールは相性抜群[あいしょうばつぐん]でした*1。オームくんだけヴェジダリアン(菜食主義者[さいしょくしゅぎしゃ])で、あとの3人はみんなノンヴェジタリアンでした。インドでは半数以上がヴェジダリアンなので、この比率[ひりつ]はちょっと珍[めずら]しいかも。みんなしきりに「これ食え、ビール飲め」って勧[すす]めてくれました。
ヒンディークラスの学生
しばらくして気付いたんですが、わたし以外はみんな「ヒンディー語クラス」の学生でした。学校では媒介言語[ばいかいげんご]によって「英語クラス」と「ヒンディー語クラス」に分けられていました。ヒンディークラスの学生でも英語をペラペラ話す人もいれば、英語をほとんど理解できない人もいます。オームくんとラジェンドラくんは割と英語ができますが、ネギさんともう1人のムケーシュくんはあまり得意ではありません。でも、流暢[りゅうちょう]に英語を話す学生と会話しているときより、ヒンディークラスの学生とゆっくりと簡単な英語で話をしているときの方が楽しいです。素直[すなお]で純粋[じゅんすい]な人が多くて、一緒にいてもあまりストレスを感じさせません。
このとき一緒にいたヒンディークラスの学生を紹介[しょうかい]します。オームくんはいつも優しい笑顔をしている人で、プラクティスのときは一生懸命に難しいアーサナに取り組んでいました(本当はアーサナは頑張[がんば]ってやるものではないんですけどね)。わたしは体調を崩[くず]してプラクティスを休むことが多かったのですが、久しぶりに出席したときなどは心配そうな表情で声をかけてくれました。
ラジェンドラくんは、とても面白いキャラクターの人です。よく楽しそうにぶつぶつ独[ひと]り言[ごと]を言ってるのを見かけます。彼は「アーサナチャンピオン」で、非常に体が柔[やわ]らかいです。男子寮に行くと、彼はよくランニングシャツ(タンクトップ)にパンツ一枚という格好[かっこう]でウロウロしてました。
ラジェンドラくん
ムケーシュくんは携帯電話が大好きな人で、しょっちゅう誰かと電話してます。カメラを向けると「お気に入りのポーズ」を取ります(笑)。
みんなヒンディーで会話してましたが、しばらくすると何を話しているか英語で解説しくれます。学校のことやこれからのこと、結婚のことなど。ちなみに、こちらでは必ずと言っていいくらい「結婚してるのか?」「してないの?じゃあいつするんだ?」って聞かれます。大きなお世話です(笑)。
会話が弾[はず]むにつれて、話題は他のインド学生の悪口[わるくち]に。定番[ていばん]ですね(笑)。1人が熱く誰かのことを語っていました。誰のことか聞いてみると、(悪口なのでここからは名前を伏[ふ]せさせていただきます)Aくんという英語クラスの学生でした。彼は決して悪い印象の人物ではないんですが、ひとつだけ問題があります。彼は八方美人[はっぽうびじん]なところがあり、ぶっちゃけて言うと、いわゆる「女たらし」というやつです。この「手[て]」の人はどこに行っても嫌われるんですねw わたしは彼のことを遠くから見ていただけでしたが、それでも何となく「この人は女の子にルーズな感じかも」って思っていました。彼の悪口を聞いて予想が的中[てきちゅう]していたことがわかりおかしかったです。
インドでぽろぽろ
悪口ついでに今日の卒業式での奨学金についてどう思うかみんなに聞いてみました。「あの奨学金はあり得[え]ない。奨学金をもらったBなんて、『奨学金あげちゃいけないランキング1位』だ」というようなことをわたしが言ったら、みんなも同じような意見でした。奨学金をもらったもう1人のCくんは「あいつは時間があれば『噛[か]みたばこ』をやってた」そうです。普段の振[ふ]る舞[ま]いも「チンピラ」みたいな人でした。悪いヤツじゃないんだけどね。それで、なんでそういう人たちが奨学金をもらったかというと、要[よう]は奨学金の選考を担当している大学のスタッフに気に入られていたからだそうです。
個人のプライバシーに関わるので、あまりこういうことを書かない方がいいのかもしれませんが、インド社会の問題点がよく現れているので敢[あ]えて書きました。インド社会では汚職[おしょく]が横行[おうこう]していてそこらじゅうで賄賂[わいろ]がやりとりされているそうです。金額も半端[はんぱ]な額[がく]ではないみたいです。奨学金なんてそれに比[くら]べれば高[たか]が知れていますが、しかし、自分の役職[やくしょく]に与えられている権益[けんえき]を不正[ふせい]に行使[こうし]しているという意味では同じです。
という訳で、インド社会について知る上では参考になる事例だと思われるので取り上げました。BくんとCくんにはちょっと悪いけどね。でも、貰[もら]う物[もの]貰ったんだから我慢[がまん]してね。
それで、なぜインド社会の人間ではないわたしがこの奨学金の選考に怒[いか]りを覚えているかというと、本来奨学金を貰うべき人物(つまりわたしのクラスメート)が正当に評価されなかったからです。ほとんど欠席することなくプラクティスにも講義にもまじめに取り組んで、みんなからも好かれていたアンカンくんがホントなら奨学金を貰うべき人物だとわたしは思います。他の学生もそう思っていたようです。彼はマラリアに罹[かか]って少し休んでましたが、それ以外ではほとんど全部出席していたはずですし、先生がいないときでも「あんまり」さぼらずにプラクティスに取り組んでいました。しかも、彼はベンガル出身でヒンディー語が母語でないハンデを背負[せお]ってました。もう1人のベンガル出身の学生がいたのですが、途中で家庭の事情により学校を去り、ベンガル出身はアンカンくん1人になってしまいました。そういう状況下[じょうきょうか]で頑張っていたアンカンくんが、一部の不心得者[ふこころえもの]のせいで正当に評価されないことを考えると腹が立って仕方[しかた]ありません。
アルコールが回ってきた状態で熱く語っていると、次第[しだい]に感情的になり、恥[は]ずかしいことにみんなの前で泣いてしまいました(笑)。涙がぽろぽろ。そしたら、ラジェンドラくんが「おいおい、泣くなよ〜」って笑ってました。
まずい!(インドでオエオエ)
残り最後のたばこをみんなで回しているときにはもうすっかり暗くなっていました。みんなの顔もはっきり見えません。「お開[ひら]き」の時間です。立ち上がって歩こうとしたら、ふらふらして足下[あしもと]がおぼつかない。元々お酒にはそれほど強くないうえに、最近はほとんど飲んでいなかったので、かなり酔っぱらってしまいました。ラジェンドラくんが支えてくれて、やっとまっすぐ歩けました。
しばらくして、みんながたばこ屋さんの前で立ち止まり、「噛みたばこ」を買ってました*2。わたしもちょっと試してみました。すると、これがとてもまずい!味も問題だったのですが、慣[な]れていないせいで、一気に気分が悪くなってしまいました。
意識[いしき]ははっきりしていたんですが、とにかく気分が最悪[さいあく]。駅の近くにあったベンチに腰掛[こしか]けることに。みんなが「気持ち悪かったら吐[は]いたらいいよ」ってしきりに言ってくれます。しばらくすると、吐き気[け]がしてきたのでお言葉に甘えて吐いちゃいました。
ぉぇぇぇ
∧∧ ○
⊂(Д`⊂⌒`つ
;:。o;.
そしたら、みんな「吐け吐け」って言ってたのに、わたしが吐いた途端[とたん]「わぁー」って言いながら逃げて行きましたw ちょっと悲しい気分。みんなどっか行ったはずなのに、近くに人の気配を感じました。横になった状態で見上げたら、ネギさんが目の前に立っていました。アイスをぺろぺろ舐[な]めながら普段と変わらない表情でこちらを見てました。溶[と]けたアイスがぽたぽたと落ちてシャツについてます。ネギさんは無骨[ぶこつ]だけど、ハートウォーミングな気持ちにさせてくれる人です。
しばらくしたらみんな戻ってきました。「暑いだろう?」と言って寝ているわたしの顔に息を吹[ふ]きかけてくれます(苦笑)。そして、「アイス買ってきたから食え」って口にアイスを突っ込んでくれました。やられ放題です。有[あ]り難[がた]いんだか迷惑[めいわく]なんだか、何が何だかわからない状態。でも、おかげで少し気分がマシになりました。
リキシャを使って学校に辿[たど]り着[つ]いたものの、まだまともに歩ける状態ではなかったので、ネギさんの部屋でしばらく休ませてもらい、12時頃にやっと自力[じりき]で部屋に戻りました。
今日は、カリカリ答案[とうあん]書いたり、うとうとしたり、どきどきしたり、飲んだり、吸[す]ったり、怒ったり、泣いたり、吐いたりと、とても忙しく、インドでいちばん長い一日でした。
アロークくんとパンデくん
少し昼寝をしてから男子寮[だんしりょう]をのぞきに行ってきました。アンカンくんがいたので、「問題児[もんだいじ]」のアロークくんはどうしてるか聞いてみたら「アロークはとっくに出て行ったよ」ですって。彼は学校が終わったのが嬉[うれ]しくてたまらなく、「やったー、やったー」って飛び跳[は]ねながら帰って行ったそうです(笑)。彼が飛び跳ねている光景[こうけい]が目に浮[う]かびます。
半分くらいの学生が、修了日当日[しゅうりょうびとうじつ]に学校を出て行きました。パンデくんもその一人。別れ際[ぎわ]に「いつオレの家[うち]にくるんだ?」って何度も聞いてきました。行きたいのは山々[やまやま]だけど、実際にはそんな簡単に行けないのはわかってるので、「もしかしたら来年」って言葉を濁[にご]しました。ウソをつきたくないしね。最後にハグをしてお別れ。抱[だ]き合って肩をぽんぽんと叩[たた]き合いました。また近い内[うち]に会えることを願っています。
サハイ先生も今年度で終わり
卒業式が終わってから、お世話になった先生の研究室に少しだけお邪魔[じゃま]してきました。ヨーガ文献学[ぶんけんがく]のサハイ先生です。いつも明晰[めいせき]な講義[こうぎ]をされる方です。また、ほぼ毎回パワーポイントを使って講義の内容をまとめてくださってました。とても気さくな方です。今年度で退官[たいかん]されるとのことで、話題は定年[ていねん]退官について。「困ったことに人間はいつ死ぬかわからない。だから終わりの準備をできない。でもね、職業としての学問の終わりについてはそれがいつなのかわかるんだよ。それが定年退官のいいところだ! はっはっは」 わたしはあまり英語がわからないので適当[てきとう]に訳してますが、たぶんこんなことをおっしゃってたと思います。一緒にいて楽しい先生です。
写真は以前先生のお宅に招待[しょうたい]されたときに撮影[さつえい]したものです。後列[こうれつ]にいるおじいちゃんがサハイ先生。前列[ぜんれつ]の男性2人は息子さん。お父さんによく似ています。とくに顔の上の方が。