本番に強い?

「プラクティスの試験」の続きです。

写真で見ると、チューブはそれほど太くなさそうですが、これを胃まで入れるのはけっこう大変です。讃岐[さぬき]うどんを飲み込むのとはわけが違います。ぜんぜんおいしくありませんし。

クリヤ(身体浄化法)は「cleansing section」という専用の洗面所で行います。大学のオフィスに併設[へいせつ]されていて、洗面台が20くらいずらっと並んでいます。わたしのとなりはインド人学生のアンカンくんでした。彼は「アーサナチャンピオン」だそうです*1



アンカンくんの背中

本番で彼がダンダ・ダウティをやっているのを横で見ていたら、驚いたことに、するするっと、いとも簡単にチューブを飲み込んでいきました。ぜんぜん苦しそうじゃありません。彼が楽々[らくらく]とやっているのをイメージしながらわたしもチューブを飲み込んでみました。そうしたら、そんなに苦労せずにできてしまいました。ちょっと喉のあたりでひっかかりましたが、食道を通ってチューブがどんどん入っていきます。初めてのことなので、どこまで入れればいいのかわからず不安になってきました。何となく胃にチューブが届いたかな?という感覚がお腹の中であったので、そこでお腹をへこませたら、チューブから無事に水がちょろちょろと出てきました。横で見ていた試験官に目配[めくば]せしたら、取り除[のぞ]いてもいいよというジェスチャーをしてくれました。成功です。もしかしたら、わたしは本番に強いのかもしれません(笑)。

しかしながら、「オェオェ」して涙を流して(ついでに鼻水も流して)練習してもできなかったのがウソみたいです。イメージの威力[いりょく]に感心してしまいました。そして、誰かが言っていた「職人[しょくにん]と弟子[でし]」の話を思い出しました。

職人に弟子入りした人は、職人の仕事をなかなかさせてもらえません。数年間、雑用[ざつよう]ばかりして、あとは職人の作業を見ているだけ。しかし、意地悪で仕事をさせないのではなく、ずっと職人の作業を見ていることで、頭の中に職人の熟達[じゅくたつ]した動きがイメージとして定着していくそうです。そして、自然に職人技[しょくにんわざ]が身に付いていく、という話です。

何はともあれ、アンカンくんに感謝!

*1:インドではアーサナの大会があるそうです。どれだけの規模の大会で優勝したのか知りませんが、彼はチャンピオン。