「試験4日目終了」の続き

2日前の試験中、わたしの後ろの方[ほう]がざわついていました。わたしの後ろの席は大人[おとな]しい(インド的な意味でw)インドの女子学生です。

普段の授業では男女別に席が分けられていて、自分の性別のエリアだったらどこに座ってもOKです。でも、テストのときは出席番号(こちらでは "Roll Number" というみたい)で指定された席に座ります。厄介[やっかい]なのは、番号がランダムに並べられているので、自分の席がどこにあるのかすぐにはわからないことです。大きな教室に満遍[まんべん]なく並べられた机の中から自分のを探さないといけません。だから、毎回テストの初日はみんなで右往左往[うおうさおう]します。集中してテストに臨[のぞ]みたい人にとってはちょっと気の毒です。


試験会場を盗撮[とうさつ]

さて、後ろの方が騒[さわ]がしかったので振[ふ]り返ってみると、わたしの後ろの席のインド女子学生が泣いていました。そして、女子学生の担任をしている若い女の先生がそれを慰[なぐさ]めていました。試験が終わってから他のインド学生に聞いてみたところ、勉強していたことを忘れてしまって(思い出せなくて)泣いていたそうです。なんて純朴[じゅんぼく]なんでしょう。「答え思い出せないし試験に飽[あ]きてきたからトイレでも行くか」とか言ってるわたしとは大違[おおちが]いです。それぞれにとっての試験の重要性が違うのかもしれません。

わたしがお世話になっているヨーガの先生*1からお聞きしたところによると、この学校に来るインド学生はたいてい大学を出てすぐにここに進学するようです。大学(学部)を出てヨーガの大学(ディプロマ)*2へ進学、ディプロマを卒業したらヨーガの資格で就職、就職したらすぐ結婚、という進路を大部分の人たちが進んでいくそうです。結婚して子どもを育て、先祖[せんぞ]からの伝統を受け継[つ]いでいくのがヒンドゥー(教徒)の義務です。結婚できないとその義務を果たせません。結婚するためには就職、そのためには学歴や資格、という論理です。だから、このヨーガの学校を無事に卒業できるかどうかはインド学生にとっては「死活[しかつ]問題」となるそうです。

一方[いっぽう]で、ディプロマの留学生は就職のための資格が欲しいというよりは、ヨーガに深い関心があるとか、ヨーガによって自分を成長させるために来た、という人がほとんどではないかと思います。つまり、留学生の多くは自分の精神面に集中できる生活を期待してやって来ていると言えるでしょう。インド人学生のほとんどは、そんなの期待してません。したがって、留学生とインド学生の間に温度差[おんどさ]が出てきます。とにかく「騒がしい」です、インドの学生はw また別の機会にインドの学生について書いてみたいと思います。

*1:この先生が以前[いぜん]次のようにおっしゃってました。「わたしのヨーガの先生(インドの人)は『自分もヨーガを学ぶ一人であるから、みなさんの先生ではなく先輩[せんぱい]です』とおっしゃってました。わたしも先生ではなく先輩です」と。いい話です。これ以降このブログではこの先生のことを「わたしのヨーガの大先輩[だいせんぱい]」と呼[よ]ばせてさせていただきます。

*2:わたしがいる大学で取得できるのは、ヨーガ教育の「ディプロマ」です。このヨーガ教育のディプロマがあると、インド国内の教育機関(高校や大学など)でヨーガ教育に携[たずさ]わることができます。