瞑想10日間コース、無事終了
Vipassana瞑想センターでの10日間のコースを終え、 Nashik に無事に戻ってまいりました。瞑想センターでの10日間は非常に興味深いものだったので、時間を見つけてこのブログに書いていきたいと思います。かなり疲れたので、これからちょっと昼寝します。では、また。
なりたいもの
いきなりですが、わたしはある信念みたいなものを漠然[ばくぜん]ともっています。それは、「人は必ずしも自分がなりたいものになれるわけではないけど、(諦[あきら]めなければ)それに近いものにはなれる」という信念です。
わたしの「なりたいもの」ですが、高校生の頃になりたかったものの1つが「僧侶[そうりょ]」(お坊[ぼう]さん)でした*1。高校2年生のとき、進路調査のアンケートがありました。そのアンケートに「希望する進路:出家僧[しゅっけそう]」と書いた記憶があります。どうやら当時は俗世間[ぞくせけん]を離れて修行[しゅぎょう]に専念できる僧侶にあこがれていたようです。
今回、一日中[いちにちじゅう]瞑想をしていて、昔、自分がお坊さんになりたかったことを思い出しました。毎日毎日瞑想だけに集中するここでの生活は、まさにわたしがなりたかった「修行僧の生き方」そのものだと言えます。10日間という短い期間でしたが、高校生の頃の希望が叶[かな]ったわけです。
ちなみに、その翌年のアンケートでは「希望する進路:フリーター」と書きました。進路指導の先生方[がた]の溜息[ためいき]が聞こえてきます。どうやら当時のわたしは息苦[いきぐる]しい世間[せけん]から逃れ、自由になりたかったようです*2。そして、高校卒業後、フリーターになりました。コンビニの店員です。こちらの希望はすぐに叶ったわけです。半年ほどで辞[や]めてしまいましたけど。このころからわたしの人生の迷走[めいそう]は始まっていたのかもしれません。
10日間の瞑想体験
5月7日から12日まで、ヴィパッサナ( Vipassana )瞑想の10日間コースに参加します。(続く)
転居[てんきょ]のお知らせ
拝啓[はいけい] 皆様[みなさま]にはお元気でお過[す]ごしのことと
お慶[よろこび]び申し上げます
さて このたび 下記[かき]へ転居いたしました
お近くにお越[こ]しの節[せつ]には どうぞお気軽にお立ち寄り下さい
まずはご挨拶[あいさつ]かたがたお知らせ申し上げます
敬具[けいぐ]
Sumangal Youth Hostel & Yoga Centre
60/1 plot 2 Sun City
Opposite Viva Sarovar Phase 1
Behind Shakun Ceramics Godown
Jambhulwadi Road
Ambegaon Khurd
Pune 411046
ラトールさんとククさん
ラトールさん宅へ
インド滞在中にとくにお世話になっているインドの友人が二人います。一人はタクシー会社を経営されているククさん。彼はシーク教徒*1です。もう一人はプネーにいるラトールさん。ラトールさんは日本語の通訳をされています。ヒンディー、マラティー(マハーラーシュトラ州で主に使用されている言語)、英語と日本語の4言語を駆使[くし]して通訳をしてくださるので、日本からマハーラーシュトラ州に来た人にとっては何[なん]とも頼りがいのある通訳さんです。ラトールさんがいれば言葉で困ることがありません。
ちょっと用事があったので、この日はラトールさんのお宅があるプネーへ行ってきました。行く前に電話したら、今日はラトールさんの結婚記念日だそうです。ほんのちょっとだけお菓子を買っていきました。こっちのお菓子屋さんでは、伝統的なお菓子は量[はか]り売りなので、慣れていないと重さから量を予測するのが難しいです。おめでたい感じのお菓子を250グラム注文したら、ちょっとしか量がありませんでした。
エスカレート
ラトールさんのご自宅の最寄[もよ]り駅は「Shivaji Nagar(シワジ・ナガール)」駅です。そこからリキシャで15分くらいのところにあります。駅を出るとリキシャがずらっと並んでいますが、何となくそこにいるリキシャには「ぼられる」*2ような気がしたので、少し離れたところでリキシャを拾いました。
途中、信号でリキシャが止まりました。すると、どこからか物乞[ものご]いの男の子がやって来ました。気が向いたら小銭を渡すようにしていますが、そのときは渡しませんでした。たぶん、何か考え事[ごと]でもしていたのか、あるいは小銭を持っていなかったのだと思います。何かわたしに言ってましたが、相手をしないでいるとその子がわたしの太股[ふともも]を「ぱちん」と叩き出しました。その男の子に「ぱちん、ぱちん」叩かれて、十数年前にインドに来たときのことをふと思い出しました。
わたしがインドに初めて来たのはいまから十数年前の8月頃でした。当時は大学生で、ちょうど夏休みを利用して、大学の友人と3人でインドに来ました。その頃のわたしはいま以上に気が短かくて少しだけ「やんちゃ」でした。アウランガーバードという街で、友人とリキシャに乗ろうとしていたとき、物乞いの男の子がやって来ました。旅も終盤[しゅうばん]に入って、疲れがたまっていた頃だったと記憶しています。男の子がわぁわぁ言っているのを無視していると、腹が立ったのか、その男の子はわたしの太股を叩いて逃げ出しました。こっちも頭に来てすぐに追いかけようとしたんですが、横にいた友人に止められました。
それから数十年後、物乞いの男の子に叩かれてもいまでは平気です(笑)。「そんなの全然気にならないよ〜」って感じで平然としています。ところが、相手は一枚上手[いちまいうわて]でした。叩いても効果がないとわかると、その子はわたしの太股を「ぎゅー」ってつねり始めました(笑)。さすがに周りの大人が見かねて止めてくれましたが。
そのとき小銭をあげなかったことをいまではちょっと後悔しています。面白いエピソードを提供してくれたのにね。
ラトールさんのもう一つのお仕事
ラトールさん宅に着いて、お祝いのお食事をいただきました。いつものごはんとちょっと違っていて、日本でよく口にするチャーハン(焼き飯[めし])に似ていました。ラトールさんのワイフ(お嫁さん)のミワさんが「ちょっと味が薄いかも」って言ってましたが、わたしにはちょうど良かったです。若干[じゃっかん]薄[うす]い気がしなくはないですが、毎日食べる家庭料理はそれくらいがちょうどいいと思います。
ラトールさんは日本語通訳の傍[かたわ]らプライベートで日本語学校も運営されています。プネーでは日本語教育が盛[さか]んだそうです。
日本語教育の新しい教材を注文したいということで、どれがいいか一緒に選びました。新しい教材はインドではなかなか手に入り難[にく]いそうです。日本にいるわたしの家族(姉上[あねうえ])に頼んで、ラトールさん宅へ送ってもらうことにしました。
用事を済ませるとすぐにラトールさん宅を後にしました。というのは、ククさんと今晩お出かけする約束をしていたからです。
ククさんとサイババのお寺へ
学校は "Lonavla[「ロナウラ」、または「ロナワラ」と読みます]" という街にあり*3、ククさんは Lonavla のマーケットでタクシー会社を経営しています。お店では車の部品も販売していて、たぶん車の整備業[せいびぎょう]をしながらタクシー業務[ぎょうむ]も行っているのだと思います。ククさんは非常に面倒見[めんどうみ]の良い方です。わたしも度々[たびたび]お世話になりました。近くを通ったときにお店に寄ると、「チャイを飲むか?」と言って、よく近くのチャイ屋さんからチャイを買って来てくれました。
「いいお寺があるから連れて行ってあげる」と以前から言われていたのですが、なかなかお互いの都合がつきませんでした。わたしの学校が終わり、ククさんも用事がなかったので、今日はそのお寺に連れて行ってもらえることになりました。
行き先は「サイババ」さんのお寺です。「サイババ」というと日本ではアフロヘアーのサイババが有名ですが*4、実は彼はある人物の「生まれ変わり」として有名になったそうです。その人物が本家本元[ほんけほんもと]の「サイババ」さんです。「シルディ・サイ・ババ」さんと言うそうで、詳しくは知りませんが、彼はヒンドゥー文化とイスラム文化の宥和[ゆうわ]*5を象徴する存在のようで、マハーラーシュトラ州では絶大[ぜつだい]な人気を誇[ほこ]っているそうです。
ちょっと遠いけど、ククさんの車があるので楽[らく]ちん。非常に評判のよいお寺だそうなので楽しみです。
サイババのお寺
サイババさんのお寺は Lonavla から車で20分くらいのところにありました。駐車場でみんな履[は]き物[もの]を脱いで中へ入ります。土の上を裸足[はだし]で歩きました。
「サイババさんのお寺」という意味だと思います。
写真がブレまくっていてすみません。わたしのカメラは動く者(物)をきちんと撮れないので。頭にターバンを巻いた恰幅[かっぷく]のいい方[かた]がククさん。他の留学生も一緒です。
着いたときにはすでに夜遅かったので(9時頃)、参拝客[さんぱいきゃく]が少なく、落ち着いてお寺を見て回れました。夜のお寺を歩いていると、いまから5年以上前に友人と3人で奈良に夜桜[よざくら]を見に行ったのを思い出しました。
運転手はわたし。道中[どうちゅう]、友人二人が政治的な話題で議論をしていました。
「国土[こくど]は国家においては本質的なものだから、領土問題は最重要事項[さいじゅうようじこう]の1つだ。」
「あんなちっちゃな島で揉[も]めて、経済関係を悪くする方がよっぽどデメリットでしょ。」
この手の議論にわたしはあまり詳しくないので正確に再現できているかどうかわからないけど、だいたいこんな内容のことを車中[しゃちゅう]で熱く議論していました。熱くて、面白い友人でした。たまに「うざかった」(「うざい」は「鬱陶[うっとう]しい」という意味))けど。わたしは車を運転しながら、早く終わらないかなぁ、と思ってました(笑)。いまでは「いい思い出」。
花見はしばらくすると寺社仏閣[じしゃぶっかく]めぐりに変わり、東大寺[とうだいじ]や春日大社[かすがたいしゃ]を見学。春日大社は森の中にあり、遠くに猪[いのしし]の姿が見えました。夜の神社はちょっとだけ怖かったです。
人の少ない夜は緊張感があり、いつもとは違う雰囲気のお寺や神社を堪能[たんのう]できるのでけっこうオススメです。ただし、夜だと建物の中に入れてもらえないところもありますが。
さて、サイババさんのお寺の敷地をしばらく歩くと本殿[ほんでん]と思われる大きな建物が見えてきました。きれいに照明で照[て]らし出され、装飾[そうしょく]も豪華[ごうか]です。
神社の「狛犬[こまいぬ]」のように、入り口の両脇[りょうわき]には「象[ぞう]」が鎮座[ちんざ]していました。
「外観[がいかん]がこれだけきれいなら、中はもっとすごいんだろう。きっといろんな神さまの像[ぞう]とかがあるに違いない」とわくわくしながら中に入りました。
そしたら、中は・・・
・・・食堂でした(笑)。
本堂は別にあり、そこはちょっと写真を撮れる雰囲気ではなかったので、残念ながらなかの様子はお伝えできません。まるでみんなの信仰心[しんこうしん]が充満しているかのような荘厳[そうごん]な雰囲気[ふんいき]でした。
Lonavla にお越[こ]しの際はククさんに連れて行ってとお願いしてみてください。